一分間英単語シリーズに、ついにCDが付属しました。
書籍の内容については、既刊の一分間英単語のセオリーを、同様に最初に説明してあります。その後、2000語のTOEICにターゲッティングした英単語を1語1義(一部は2義)で記載しています。私はこの「淡い記憶を何百回も復習する」という手法に賛成であり、英単語、いやそればかりではなく全ての記憶事項は、(一定の時間間隔を措いて)何度も何度も出会うことで長期記憶に定着するものだと考えています。この本の通過回数チェックシートも前作と同様480回まで対応しています。必ず最初から最後までと気負わずに、とにかく開いて見たところからどんどんやっていけばいいでしょう。早くなれば、1見開きを10秒程度で確認できるようになります。何より、見やすいと言うのもこの本の利点。
本書籍の最もよい点は、筆者の言う手法を行うのに最適化された英単語帳である、という事です。この手法はDUO3.0等の、メインとなる語義の色が絞られている本にも適用できますので、この本を終えた後も同様の手法が取れる単語帳を見つければ、実践できると言うことです。一部の単語帳は、異様にたくさんの文字が赤シートで隠せるようにされているので、その限りではありませんが。そういう意味では、初めて出会う単語の語義は簡潔に覚えた方が、その後も芋蔓式に覚えられるようになるのではないのでしょうか。その芋づるは他に用意する必要がありますが。とにかく、最初のステップである、英単語を見たことがあると言う状態にする、少なくとも一義はわかる、という状態への加速は、この本の手法に勝るものはないのではないかと思います。
私は自称参考書マニアでもありますので、この本に不足する点を述べておきます。星を1つ外したのは以下の理由からです。是非、石井様も改訂版等検討されているのであれば参考にしていただきたい。
まず本書についているCDですが、やはりと言うか英語⇒日本語、という音読が入っていますので、正確な発音は取れるわけですが、筆者の言う1単語2秒を更に超えている点が不満です。CDが2枚と言うのも、即ち筆者の言う67分をCD1枚に収められなかった証拠でもあります。一部の単語の2語義になっているものの、それぞれの音読は必要ないと思いますし、括弧内を読み返す必要もないと思います。こちらは目で追っている、もしくは音で聞いているのみですので、語義を2つ言われると突然リズムを失い、どういう語だったのかを一時的に失念してしまいかねません。
更には最終的な効率を重視して、筆者の言う「1語1秒=34分間」を具現化するCDの構成をも含めて実現してほしかったわけです。つまり、英単語だけをスピーディに発音していただいて、34分間になんとか収める。これは、2枚のCDがあるわけですから入れることができたはずです。2枚目のCDは28分しか入っていませんから、残りの40分を有効に使っていただきたかった。人間の眼の認識速度と言うのは耳よりもかなり速いはずですから、英単語だけを発音していただいても、こちらは目で追えるようになっているはずです。少なくとも60回後にはそうなっているはずであります。
最後に、これは出版社様と話し合っていただかなければならないかもしれませんが、ページ数の割に、本が厚い点が不満です。昨今はDUO3.0、速読速聴、ターゲットなど、比較的僅かな厚さでありながら400ページを超える本が続々と販売され、かつ、それらの本は高い確率で高評価されているように思います。もちろん、この本を無理に400ページに増やすのは賛成できませんし、それだと1周回が長すぎる、もしくは冗長すぎるとも思います。がしかしながら、300ページに満たないこの本を更に薄い本に仕上げることは可能なはずです。厚さで言うなら11ミリ。背の部分が細くなりますので、インパクトのあるデザインは難しくはなりますが、大事なことは宣伝よりも使いやすいことです。