英語で聞く、英語で読む ! オバマ「変革」の時代 2009年 01月号 [雑誌]がアメリカ大統領選挙のしくみや08年選挙戦の流れを丁寧に纏めていた、その姿勢を継承し、就任式前後の模様や式典の舞台裏を巻頭カラーで紹介するなど、記録と評論に力点を置いた編集内容になっている。
他社を含め、抜粋収録に終始していた姿勢をさんざん叩かれたのを反省した(?)ようで、今回はCDを2枚たっぷり使い、全文収録に拘りを見せている。
勝利演説は言うに及ばず、あまり有名でない(?)ベルリン演説も収録している。それぞれの演説が行われた背景が丁寧に解説されており、アメリカの“みぞうゆう”(?)の危機に際してオバマ氏が何を考え、如何に支持を獲得していったかがよく理解できる。
さらに参考として、リンカーンやケネディといった“定番”だけでなく、「ニュー・ニューディール」と呼ばれる経済政策立案の参考にしたフランクリン・ルーズベルト(これのみ抜粋収録)や、マーティン・ルーサー・キング牧師の声までもが収められている。
ゲティスバーグの朗読は平板極まりなく、他誌の演説調を聴いた後だと違和感を感じる面もあるが、本題ではないからこれでもいい。“I Have a Dream”は別の機会でも聴くことがあるが、こうして一書に纏めてもらうと、アメリカの歴史も俯瞰できるし、オバマ新大統領の信念や政治姿勢をあらためて確認するのにも役立つ。
それにしても、リンカーン、ケネディ、キングと、オバマ氏が拠り所とする著名な演説を残した先駆者が皆、志半ばで凶弾に倒れている、とは、何やら暗示めいたものを感じてしまう。ルーズベルトにしても3期目の任を全うできずに病没している。悪い方にばかり考えが行ってしまい、困ったものだ。