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▼4格の目的語を伴う前置詞の説明に<gegen Japan>という表現が出てきます。Japanという固有名詞の3格と4格には見かけ上の違いがないので、この例文ではgegenが4格の目的語を伴うのか3格の目的語を伴うのかが判断できません。男性普通名詞を目的語に使った例文ならば一目瞭然だったのに、わざわざ分かりにくくしています。同じ頁のumという前置詞の説明にも同じことがいえます。
▼接続法Iの説明がないまま接続法IIという用語が突然出てきます。活用規則の説明もありません。接続法は日常会話で仮定の話をする際や新聞記事などで取材相手の言葉を引用する際に頻繁に使われます。その接続法の説明がない入門書というのは失格です。「文章の中で見たり会話の中で聞いたりしたときにわかれば十分です」(268頁)とありますが、この本は分かるように説明する努力を放棄しています。おまけに不規則変化する接続法IIの説明に「辞書で調べます」(267頁・「辞書で調べてください」ということのようです)と書いてあるのは噴飯ものです。入門書なのに変化表を載せずに「辞書を引け」という態度はないでしょう。
▼この本が日本人の入門者の<文法からしっかり学ぼう>という要望に応えきれていないのは著者(通訳・翻訳業)がドイツ語を教えることをなりわいとしているわけではなく、また帰国子女という特殊な環境でドイツ語を身につけた人であることも一因かもしれません。
この本でドイツ語を一からしっかり学ぶのは難しいと思います。他の本で勉強した人がおさらいのために活用するという使い道ならあるかもしれませんが。
課ごとの文法を踏まえた基本例文と練習問題はしっかりと量があるので、文法説明には期待せず、「問題集」として使うのなら良いかと思う。
例文もノートに書き出して独訳⇔和訳の練習をするとかなり使い込んだ!という気分になれる。
一通り基礎を学んだ後で 理解度チェックに使用するにはおすすめですが、はじめの一冊に選ぶのはおすすめできません。
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