以前、フランスに語学留学した際に何よりも実感したのは、旅行の時にも経験する入国審査やホテルでのチェック・インのような事務手続きの場面は勿論、人に道を尋ねたり、列車などで席が空いているかどうか尋ねるにも一種の決まり文句があるということ・・・。短い留学を終え帰国して数年経った今、折角身につけた(つもり!?の)決まり文句の記憶も薄れて、次にフランスに旅行するのがちょっと不安だなと思っていた時に見つけたのがこの本です。フランスを旅行する際に遭遇する(可能性の高い)場面に限定して、決まり文句や専門用語が多用される場面の会話パターンを紹介しているだけではなく、会話をしている人物(フランスを旅する日本人)の役になって模擬練習できる設定になっているので、実践的に表現を練習できるという点で嬉しい作りになっています。あまり他で目にしないシャドーイング(聞こえてくる音声をほぼ同時に口頭で繰り返す練習法)を意識した本のためか、紹介されているセリフが短くて、そのまま丸暗記をしてしまうのも容易なのが有り難いです。また、章ごとについている「知ってお得なフランス情報」では、実際、現地に行かないと気づかないフランス事情、例えば、改札口がないフランスの駅での乗車の際の決まりごとやスーパーのレジで目にした巨大な文鎮のような棒のことなどが紹介されていて思わず留学の頃を思い出しました。旅行に出発する前の事前準備のためにと、フランスのホームページなども数多く紹介されているのも助かります。フランス語の文法について言えば、一応、各章の最後に文法の説明が添えられてはいますが、ある程度基本文法を押さえた後で、表現を身につけるために活用すると効果的な本ではないかと思います。ちなみに、個人的には、付録で映画のセリフを通して紹介されていた ' tu ' と ' vous ' の使い分けについての、いわゆる初級文法書に記載されているような型通りのもの、ではない解説を面白く読ませてもらいました。