◆op.19「太陽とフォークロア」
イェール大学の歴史学者ポライユ教授は、太陽の神殿から
黄金郷に通じる地下道の地図とおぼしきキープを発見した。
ガイドの少年フーリオとともに、地下道に入った教授だったが、新品の電池を
入れたはずの懐中電灯が突然切れ、パニックに陥り、行方不明になったという。
のちに、教授は死体になって発見されるのだが……。
ミステリとしては、教授の死体の傍にあったデジカメと懐中電灯がポイント。
そもそも教授は、パニックに陥る必要がなかったのですね。
夕暮れのなか、犯人が乗った、飛び立つ直前の旅客機に
パトカーが向かう結末は、ほろ苦くも鮮烈な余韻を残します。
◆op.20「メタモルフォーゼ」
図書室に飾られていた女流画家にして昆虫学者の
マリア・シビラ・メーリアンの絵が、盗まれた。
事件発生時、たった一人で図書室にいた女生徒は、3時半に絵を見た後、4時に
再度見た際、絵がなくなったことに気づき、その間、誰も絵に触れていないと証言した。
しかし、他に人がいなかった以上、彼女に容疑がかかるのだが……。
単純な機械的トリックと女生徒の心理を狡猾に利用した心理的トリックの合わせ技。
マルチな才能を発揮し、パワフルな人生を歩んだマリアの
蝶と芋虫の絵と、内気な女生徒の成長が重ね合わされます。