ナスカの地上絵の一部を崩して、観光のために道路を建設しようという計画が持ち上がる。それに反対するスペイン人学者のサイードは、指輪の主として榊森羅をペルーに呼ぶ。しかし実際に会ったのはサイード博士の死体だった。
高いところはどこにもないナスカの地上絵付近での、謎の転落死。地元の人間は彼の死を喜んでいるようにも見えるのだが、森羅が解き明かす脅威の部屋にある真実とは?
インドネシアのバリ島に伝わるレヤックが引き起こした殺人事件や、学校の七不思議にまつわるちょっとした事件、盗品ブローカーのマウがはめられそうになる「クファンジャル」が収録されている。
ナスカの地上絵の事件のトリックはかなり壮大なものなのだけれど、事件が夜に起こったことを考えると、かなり無理がある気もする。しかし、この短編のキモはトリックにあるわけではない。その終わり方にある。以前もこんな終わり方をした話があったので、作者が描きたいテーマなのかも知れない。
本編から少し離れるが、マリア・ライヘは自分の生活を犠牲にしてナスカの地上絵を守ろうとしたから本当に尊敬されているのだと思う。もっとも、そんなことができる人は居ないから尊敬されるのだろうけれど。