■op.36「ワールド・エンド」
現在に至る150年以上の間、八頭しか発見
されていない幻の蝶“ポンテンモンキチョウ”。
その九頭目とおぼしき蝶が写った写真を手がかり
に、森羅は立樹とともに、アルゼンチンを訪れる。
しかし、そこで森羅たちが直面したのは、1976年にアルゼンチンの
軍事政権が始めた反政府分子狩り――“汚い戦争”によって運命を
弄ばれた三人の男女の悲劇の物語だった……。
■op.37「すごろく」
亡夫が遺したおもちゃ屋を、細々と続けて
いる老婦人・新島ハルには、悩みがあった。
仲良くしていた二人の友人が、急に口
をきいてくれなくなったというのだ……。
典型的な《日常の謎》ですが、関係者が誰一人、悪意に
基づいて行動していない――というのが逆にこわいです。
■op.38「花屋の娘」
コンビニでバイトしながら、日々、司法試験の勉強に励む木崎工作。
木崎は、生花店の娘・曽根景子に片想いしていて、
自室の窓から双眼鏡で景子の様子をよく見ていた。
そんなある日、景子の恋人・河西が、生花店から慌てて出て行くのを
不審に思った木崎が店に駆けつけてみると、景子が殺されていて……。
レッドへリング(真犯人ではない怪しげな容疑者)の行動に二重
の意味を持たせ、読者を誤誘導していく作者の手腕が見事です。