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ですが、「脱入門書レベル」の読者にとっては注意すべき点がいくつかあります。まず、この著者はC言語の規格やその用語の詳細については基本的に無頓着な人のようで、そのまま信じてはいけない記述もあります。文法事項で入門書との矛盾を感じたら、この書の方を疑ってください。たとえば、
「変数や関数をアクセスできる範囲のことを『スコープ』と呼びます」
→「スコープ」は、変数や関数の「名前」が見える範囲のことで、変数や関数がアクセスできる範囲とは別。スコープ外で名前が見えない変数や関数でも、その変数や関数が存在しているならば、そのポインタを取得すればポインタを使ってアクセスできる。
「const char * を char * にキャストできない」
→おそらく「代入できない」と言いたかったのでしょう。キャストして強引に代入することは可能。
もう一つ、この著者は基本的にコードの移植性を考慮する必要がほとんど無い環境にいる人のようで、実際、この書にはコードの移植性に言及した記述はほとんどありません。「プログラミングの世界では、規格が絶対ではなく、実装が第一」という記述も、いかにもそういう人らしい考え方だと思います。移植性重視の環境にいる人には疑問に思うところも多々あるでしょう。
以上、意味のある書だとは思いますが、C言語の「良書」とは言えない部分もあるという意味で、この評価とします。