プロコフィエフ協奏曲第3番が1963年12月28日、ラフマニノフのパガニーニの主題による狂詩曲が1968年1月2日収録。指揮はポール・パレーとルイ・ド・フロマンのORTFフィルハーモニー。収録場所はパリ、フランス国立放送のスタジオ公開演奏会でのライブ映像である。『Mercury Living Presence』のバイロン・ジャニスに圧倒された方は観ずにはいられないだろう。
バイロン・ジャニス(Byron Janis、1928年3月24日 - )は、ホロヴィッツが認めた3人の弟子のひとり(他のふたりはロナルド・トゥリーニとゲイリー・グラフマン)として有名だ。事故で一つの指の感覚を失っているらしいのだが、とても信じられない。ロリン・マゼール指揮でセルゲイ・ラフマニノフの協奏曲を演奏したときに、ウラジミール・ホロヴィッツが聴衆の中にいて、その招きで4年間ホロヴィッツに師事することになった人だ。
米ソの雪解け推進のため、バイロン・ジャニスは1960年からソ連を訪れ、演奏を開始する。そして特にプロコフィエフの協奏曲における圧倒的な表現力に、この曲のNo.1の演奏者はバイロン・ジャニス以外にいない思ってしまう。その運指が観られるだけでもこのDVDは価値が十分にある。完全に暗譜で演奏するその姿は、まるでピアノがパーカッションのようだ。管楽器とピアノの掛け合いのアングルの移り変わりもなかなか興味深い。
余談だが、彼の妻で画家のマリア夫人はあのゲイリー・クーパーの娘である。知る人ぞ知るピアニストとは彼のことだろう。BBC放送がオリジナルのようだがBBCも宝の山だとつくづく思う。