自分がまだほんのガキだった頃、「ヒーロー」の存在はいつでも身近に感じられた。
彼らは時に異形の者として迫害されたりしながらも、社会的正義と己の信念に基づき、
何故か髪が白くなって強くなる変身能力(悟空は全身真っ黒にはならなかったけど(笑))などの
超パワーを駆使して人類の平和のために悪と戦い、見事勝利を収めてきた。
だけど、大人になるにつれて、自分はそんなヒーロー達に感謝するどころか、いつしか軽蔑の気持ちを抱くようになっていった。
あんなものは所詮、ダサい、子供騙しの、誰かの金儲けのためのつくりごとに過ぎないと。
「武装錬金」は、これから大人になっていく子供達のための漫画ではなく
(でなければ曲がりなりにも天下のジャンプで一年以上連載の続いている作品が
ここまで子供に不人気なわけがない)、どこかに置き忘れてしまった
子供の頃の気持ちを思い出したがっている大人のための漫画だ。
これ以上無いくらいベタベタな王道展開の連続なのに、一シーン一シーンにたまらなく心が揺り動かされるのは、
まるで009のようなマフラーを纏った主人公・カズキがオールド・ヒーローの哲学を体現しているからに他ならないだろう。
もちろん、彼らヒーローはあくまでもフィクションの中の存在に過ぎないし、
大の大人がどうあがいたところで子供に戻れるはずもない。
しかし、幼い自分に勇気を与えてくれた彼らに、もう一度感謝したい、友達になりたいと望むなら・・・
ヒーローはきっと、俺達のすぐそばにいる。