「Buono!ライブツアー2011summer〜Rock'n Buono!4〜」より、横浜BLITZ公演を収録したブルーレイ。結成1周年に当たる2008年より毎年夏に行われ、タイトル通り今年で4回目を迎える「Rock'n Buono!」であるが、今年はこれまでのシリーズとは少々違った意味合いが開催前より感じられた。周知の通りBuono!は、このツアーが開始される少し前にミニ・アルバム「partenza」を発表している。そしてその内容は、これまで築き上げてきたサウンド像に捕われず、テクノやラップ等の新しい要素を大胆に添加しBuono!としての新たな音楽性を提示した作品となっており、そういった要素が舞台内容に取り入れられれば、現在までに我々が見てきたBuono!ライヴとは一味違う印象を受ける事は間違いないうえ、これまでに発表された楽曲群と、「partenza」の示す音楽性がどのように共鳴し合うのか興味深々であり、様々な考えや予想が交差する中で遂にツアーは開始され、全貌が明らかになった。
照明が落ち暗転した会場内に「paltenza」のSEが響き渡り、ステージ中央に置かれた電光スクリーンのゲートが開きメンバーが登場。オープニング曲「partenza〜レッツゴー!!!〜」、続いて「フランキンセンスΨ」が披露される。夏焼雅氏をフューチャーした「フランキンセンスΨ」は大人びたテクノ風の曲調と、誘惑の甘く危険な香り漂う歌詞の世界観がパフォーマンスに添加され本ツアーで最もシアトリカルに披露された1曲と言えるだろう。新作にはメンバー各人をフューチャーした楽曲が収められているが、ここでは鈴木愛理氏の「my alright sky」について特筆したい。こういった楽曲は、歌唱力のみならず表現力が必要とされる難易度の高い曲であるが、感情導入により楽曲に生命を吹き込み、ライヴという空間において本曲は一層際立った素晴らしさを放っているので、是非多くの方々に観て頂きたい。シンガーとして鈴木愛理氏の力量の高さを証明する1曲である。今回、バンド・ドルチェは「Kiss!Kiss!kiss!」中盤より登場し、メンバー紹介とシンクロする形で各人が「恋愛ライダー」でソロを取る。ギターのパワフルなWチョーキングが印象的な「無敵の∞POWER」、メンバーの美しいア・カペラにより開始される「1/3の純情な感情」、marty(g)氏の16連譜の刻みと、タムの低音が情熱的に響く「Ice Mermaid」など中盤から後半にかけてアップテンポな曲が続き、「MY BOY」で一旦終了。アンコールは「夏ダカラ!」とMCを挟み「ワープ!」で終了した。
本作を商品という観点から幾つか書かせていただくと、まず映像が良く言えば「映画の様な温かみのある」、悪く言えば「鮮明度に欠ける」画質で撮影されている。かつて発売されたスマイレージの「デビルスマイル エンジェルスマイル」ツアーのDVD及びブルーレイがそうであり、本作はそこまで極端では無いが、そういった点にこだわる方は考慮してご購入いただきたい。そして本公演を当日会場で見ると、スクリーンに大空や向日葵が映し出され、より一層壮大なイメージで披露された「夏ダカラ!」をはじめ、スクリーン効果や演出類の細部まで撮影し切れていない箇所があり、映像作品を作る難しさを感じる場面が何点か感じられた。この辺りは、個人の価値観による話だが。
音楽性、楽曲、パフォーマンス、舞台内容等々、これらは時代と共に変化し、アーティストの成長とキャリアの積み重ねにより進化する生き物のようなものである。セット・リストをご覧頂いても判る通り、楽曲のバランスとしてはこれまでに発表されたお馴染みの曲の比重が高いが、その中に「partenza」で披露した新要素が溶け込み2011年版のBuono!ライヴが展開されている。ロックというジャンルだけで無く、Buono!としてあらゆる音楽性に挑戦する示唆がなされた「partenza」。結成4周年を迎え、その「partenza(出発)」のタイトル通りBuono!は現在進行形のアーティストとして無限の可能性が放射されている。