E.サティやマルセル・デュシャンのファンだとか、J.ケージと働いていた事があるとか、60年代にはベーシストとしてフリー・ジャズをやっていたとか、そういう経歴の英国の前衛音楽家ギャビン・ブライアーズが作り上げたミニマル・ミュージックです。本作品はもともとホームレスの老人の唄を基に1975年に作った約25分の作品で、CDが登場し長時間作品の収録が可能になったため1993年に録音し直したとのことです。"Jesus' blood never failed me yet, never failed me yet, Jesus' blood never failed me yet, never failed me yet, this one thing I know, for he loves me so. "という僅か25秒の歌を延々と繰り返し、これにだんだんオーケストラが加わったりコーラスが入ったりして盛り上がっていく曲で、一応チャプターがついていますが連続した一つの作品です(25秒が延々と約75分続く曲と思ってください)。バッハの作品のように宗教的に響き、はまり込むと時間の流れが止まるような気がしてきて、恍惚として聴き入ってしまいます。時間の余裕があるか、気分がどこか病的になっている時にぴったりくる音楽です。音楽の性質上、こういうのが好きな人にはお勧めしますが、一般のリスナーには厳しいのでは?と思います。
なお、これにロック界の鬼才Tom Waitsが参加していますが、これはTom Waitsがオリジナル・ヴァージョンを気に入っていてギャビン・ブライアーズに連絡したことがきっかけのようです。