アーティストについて
2005年2月、内的感情を告白する1stアルバムにて、鮮烈なデビューを飾ったポーリーヌ・クローズは、パリに生まれ育った24歳。選び抜かれた言葉、強い官能性、50キロもない華奢な体つきの内に秘められた情熱、カスレの入った独特な声の響きは誰もの心の鎧を貫き心に届く。これ程までにレベルが高い本物の才能が無視され続ける方が難しいというものだ。 「Mise Nu」「M'en Voulez Vous」「T'es Beau」といった曲で成功をおさめ、Edith Fambuenaによってプロデュースされた1stアルバムは称賛を集め、ゴールド・ディスクをダブル受賞。Miossec、Cali、Mといったアーティストの前座を務め、150回の公演を全うする他、2003年のTransmusicales de Rennes、2004年のFestival des Inrocks、そして2006年には l'Olympiaにて公演。多くのコンサート出演を通じ、とてもシャイだった性格を克服しつつ、本来の魅力を失わずして自らのステージに立つことを覚えていった。海外公演(アイスランド、チリ)にも行き、引越しもした。仕事の仕方も、より細かく成熟し、自由な方法へと一変した。 パリのスタジオFerberにてレコーディングされた2ndアルバム『Un Bruit Qui Court』は、 気持ちを表現するための音楽様式を徹底的に検討した成果もあり、そのユニークな官能性がさらに開花し、怒りと優しさといった内的感情の折衷が気持ちよく表現されている。「1stアルバムでは、ギターと声があるだけでした。ギターを弾くことによってある意味とても限定された環境だったので、ツアーの後はギターを弾くことに少し疲れを感じていました。だから別の方法で歌を書いてみたいと思ったのです」とポーリーヌは言う。ギターの束縛から自らを解放したことによって、1stアルバムに比べ、本盤では歌唱力の新たな可能性を最大限に模索していることも注目したい点だ。「シャンソン・フランセーズと特にしっくりいっているとも思えない」とも言うポーリーヌは、ラ・ヴィ・アン・ローズを聞くよりもサックス・プレイヤー、Wayne Shorterのソロに続いて歌う方が好きだと言う。 A l’ videnceは、サックスのフレーズを軸に作られたので、ある意味作り方はラッパー的と言えるかもしれないが、結果はジャンルの壁や音の定型表現を越え、ポーリーヌ独自のものとなっている。 フォーク、ボサ、レゲエ風の曲もあり、軽いレッド・ツェッペリン風の曲もある。シャンソン・フランセーズという枠を越え、様々なあらゆる音楽ファンに聴いてもらいたい作品だ。
Album Details
Japanese pressing includes two bonus tracks. Geneon. 2008.