ヴィンス脱退によりソング・ライターがマーティンに切り替わった2枚目。結果的にマーティンのソング・ライターとしての才能が開花することになった作品で、その後の彼らの作品に共通するメロディのタッチは既に完成されている。本盤発売・プロモ時点では既にアランが加入していたが、実際に音作りに参加してアレンジに重厚さを加えていくのは次の作品からなので、過渡期の作品として位置づけられるだろう。
他のレビュアーの方も書かれている通り、今の時代に聴いた場合の本盤の特徴はシンセの音やアレンジに見られる80年代エレ・ポップ特有のピコピコな味にあるが、他に挙げるとデイヴの歌唱法(ノドの使い方)がソフトな点、ヴィンスを意識したような明るいアップ・テンポの曲(="The Meaning of Love"、"A Photograph of You")が混じっている点も挙げられるだろう。これらの要素が総合的にブレンドされて、アラン加入前の本盤にしかない良い意味での「線の細さ」が、彼ら自身の実年齢に見合った若々しさとして現れていると思う。
最近は本盤所収の曲はライブでもやっていないようで地味な扱いの作品だが、実際"See You"は初めてのUKトップ10ヒットになった訳で、当時はセールスや音のインパクトの点では十分結果を出した作品だった。
なお、本盤のUKオリジナル盤は10曲だが、82年当時からUS盤は11曲だった。(USでは"Further Excerpts From: My Secret Garden"が足された。 )その後の再リリースでも色々と特典が付いているし、今時中古市場に30年前のオリジナル盤が流通することは稀だと思うが、ファンなら曲数の多い方が嬉しいと思うので、これから手に取る方は一応要注意。