男というものの淋しさ、せつなさ、情けなさ……などなどがガッツリと描かれ、何はともあれ、まずは観てくれと言うほかないこの叙情的な傑作『ブロークバック・マウンテン』のことを、音楽を中心に思い返してみると、まずまっ先に浮かんでくるのは、透明感にあふれてとにかく素晴らしい、グスターボ・サンタオラヤ(サンタオラージャ)による劇中音楽―アカデミー作曲賞を受賞―のことだ。このサントラでも随所に収められており、ギターの響きが、ふたりの男たち=イニスとジャック、が熱く生きた時間のことを思い起こさせ、聴いていると、またせつなさがぶり返してしまいそうだ。
それ以外の、ウィリー・ネルソンら豪華な顔ぶれによる、いわゆるカントリー系の楽曲たちは、全編を通してふんだんに、というより、要所要所でピンポイント的に流れ、それゆえ印象に残った、という面もあったように思う。劇中での扱いも、きちんと流れたもの、カーラジオなどから少しだけ流れたもの、ここには収められていない、かつてヒットした方の(ロジャー・ミラーによる)バージョンで流れたもの(5)など、さまざまだが、心にしみるパフォーマンスが多い。こういったような曲たちが、イニスやジャックの“日常”を彩っていたんだろうな……などと、ふとそんなことを思ったりした。
なお、エミルー・ハリスの4―“決して老いない愛”。エルトン・ジョンと名コンビの、バーニー・トーピンが作詩を担当!―は、ゴールデン・グローブ賞のオリジナル歌曲賞を受賞している。