2枚目のアルバム Penguin Cafe Orchestra の評判が広がり、PCOはヨーロッパに続いて日本でもライブを行った。その後、創始者のサイモン・ジェフスは、東京で坂本龍一と仕事をしたあと、しばらく京都に滞在した。そこでガラクタの中に、打ち捨てられたハーモニウムを発見する。
外遊を終え、ホームに戻ったPCOが作った3枚目のアルバムが、この Broadcasting From Home である。タイトルを見ると、しばらくの外遊が、サイモンのホームに対する思い入れを強くさせたのかもしれない。サイモンによると、PCOの音楽は「想像上のフォークロア」だそうだ。そのことから考えると、ここでいうホームとは、イギリスとか日本とか具体的な場所ではなく、地球上のどこでもないが誰もが懐かしいと感じる場所という意味であろう。
このアルバムには、京都で見つけたハーモニウムのために作られた Music For A Found Harmonium という曲が収録されている。いかにも「想像上のフォークロア」にふさわしいエピソードと言えるのではないだろうか。このアルバムには、ホームに対する懐かしさがあふれている。いつまでも浸っていたような、そんな懐かしさに。