モンクの代表作というよりは、50年代を代表するジャズの名盤中の名盤。タイトルナンバーは、後半16小節が倍速になるという難曲中の難曲で(つまり各自の即興演奏も倍速にならなければならないので、演奏がやたら難しくなるわけです)、何度やっても最後まで通して演奏できなくて、結局テープ編集で完成させたと後年プロデューサーのオリン・キープニューズが述懐している。
フロントにアルトとテナーの2サックスのみという変則的な編成だが、アンサンブルの厚みと、異様な美意識に彩られたハーモニーはモンクならではのもの。しかもテナーのロリンズの演奏は、個人的にはこの時期の彼のベストプレイと確信しています。4曲目はソロピアノ。レコーディングの途中でオスカー・ペティーフォードとケンカ別れしたうえに、アルトのアーニー・ヘンリーにも逃げられてしまうので、最後の5曲目はベースがポール・チェンバースに代わり、トランペットのクラーク・テリーが加わる。これが結果的に怪我の功名となり、このアルバムをさらに魅力的なものにしている。
今回「KEEPNEWS COLLECTION」と銘打たれて新たにリマスターされたこのシリーズは、値段も手ごろで音質向上、資料充実で買いです。私はOJC盤と国内盤CDも所有していますが、本CDが一番音が良い。このアルバムもたくさんCDが出ていますので、何を買っていいかわからない人には本CDをオススメいたします。CDケース内に挿入されているキープニューズさんの80歳の誕生日のプライヴェート・フォトが微笑ましい。もっともっと長生きしてくださいね。