2004年の「Allen Toussaint's Jazzity Project・Going Places」は同じジャズ・アルバムでもトゥーサンの自作曲中心で、モダンな雰囲気だったが、こちらはスタンダード、それも草創期のジャズの名曲をとりあげ、それを現代に蘇らせるという、クラシカル、トラディッショナルなオールド・ジャズ的雰囲気の仕上がり。そして、限りなくニューオーリンズ的だ。どちらのアルバムもクラシカルな素養も備えるアラン・トゥーサンらしいピアノで、良いBGMだが、このアルバムは、じっくり聞くにも最高だ。
ピアノ、クラリネット、トランペット、ギター、ベース、ドラム、サックス、どの楽器をとっても素晴らしい。曲も、親しみやすい曲ばかり(というよりトゥーサンのアレンジが、原曲を高めている)。中でも、表題曲(セロニアス・モンク)の楽しさといったら! 思わずステップを踏んで踊り出したくなる。そうかと思えば、深く聞き入らせたり。こんなアルバムを聞きながら、落ち着いた時間を楽しむのは、人生の最高の贅沢の一つだと思う。