1973年11月リリース。この年の1月にELP自身のレーベル『マンティコア』を設立してのアルバムということで9ヶ月もの時間をかけて創られた。グレッグ・レイクのキング・クリムゾンからの盟友ピート・シンフィールドが作詞を担当し、当時は未だ無名だったハンス・ルドルフ・ギーガーがアルバム・ジャケットの原画を担当した。ハンス・ルドルフ・ギーガーはご存知のように『エイリアン』でブレイクするわけだが、既にその資質をELPは見抜いていたと思える。余談だが、この原画はチェコで2005年11月5日、ギーガーの個展開催中に盗難にあっていて未だ発見されていない。
まさにやる気満々の時期に発表された本作は彼らの音楽性の全てが発揮された最高傑作である。特に5の『KARN EVIL9』の素晴らしさは最高でLP当時は表・裏に別れていてちよっと今一歩だったのが現在のCD化で連続して途切れなく聴くようにできるようになりより完璧なものになったと思う。ギーガーの奇怪なジャケットはLP当時は複雑な見開きになっていて実に凝ったものであった。機械と骸骨のカバーの向こうに現れるのはギリシャの三女性(Gorgons)の一人、眼を閉じたメデューサだ。音楽が始まった瞬間、彼らの音楽の中のメデューサは眼を開き、聴くものを釘付けにし、石にしてしまう。そんな暗示を秘めている。
特にキーボード小僧にはまさに『聖典』といえるのが本作だろう。素晴らしいものは間違いなく相手を一撃でノックアウトしてしまう。まさにそういうアルバムだ。ちなみにELPの作品でDVD-AUDIO化されている唯一の作品が本作だ。