全体として素晴らしいアルバムです。『ボレロ』はいろいろな演奏を聴いているため、得にこの演奏の素晴らしさが分かります。
『ボレロ』にはなかなか理想的な演奏がありません。ソロが素晴らしくてもアンサンブルがバラバラだったり、アンサンブルも良くオーケストラ全体の音が素晴らしくても、ソロが退屈だったりします。また、きちんとまとまっているが退屈な演奏もあり、一方で、盛り上がり過ぎて乱れてしまう演奏もあります。
この演奏は完璧です。まず、ソロ奏者が一人一人素晴らしい。一人一人のソロが個性的で、音楽性が高くセンスの良い歌い回し。また、全員が音楽を楽しみ、かつ、熱心に演奏している様子が伝わってきます。活き活きとして熱気があり楽しそう。しかも、これだけ盛り上がっていて、アンサンブルは完璧。安心して熱気に身を任せ楽しむことができます。
超・能力集団のベルリンフィルだから可能なことなのでしょう。
ブーレーズは細部に拘り過ぎで冷たい、という批判を聴くことがありますが、この演奏ではそんなことはありません。オーケストラの能力が高いため、音楽だけに集中できたから?