ルー・ドナルドソンが1958年に吹き込んだ代表作。まさにブルース、黒いフィーリングがたっぷりだ。冒頭のタイトル曲に四曲目と終曲
が彼の作曲ですが、どれもアーシーかつユニークでいい。また演奏もいい。よほどコンディションが好かったのか聴かせてくれる。
ワンホーンなのにダレない。リラックスした雰囲気なのにダレない。音色、フレーズ、リズムと綜合的にクリエイティブ。特に三曲目は
端から端まで綺麗で魅了される。
さてそんなアルトサックスを吹く主役といっしょに演るのは、ピアノにハーマン・フォスター、ベースにペック・モリソン、
ドラムにデイヴ・ベイリー、最後にコンガでレイ・バレットだ。
心配りが素晴らしい根っからの裏方ベイリーや、こちらも控え目ながら鋭い表現力を持つモリソンもいいですが、やはり
フォスターとバレットがいい仕事するんです。フォスターはドナルドソンと相棒と言えるほど共演していくが、この人は独自の世界を
築いてるピアニストだ。多少、器用貧乏な気もしないでもないが、独特の美的感覚と自己主張の強さが特徴。弾くというより叩く感じ
のタッチはどこかズレてるけど、こういう理屈じゃない作風にはよく溶け込む。
バレットは言わずと知れた大物になってく人。全体でこそ調和だが、ソロパートへ突入した途端に空気感・質感を変える。ノータイムで
出てくる技に圧倒される。研究に研究を重ねた裏打ちがみえるし、それを常に真剣勝負でやってくる。だからなるべくしての人だった。
雰囲気としてはゆったりの一枚ですが、そこで波打つ黒さは刺激的で楽しいですよ。興味ある方是非どうぞ。