このアルバムがリリースされてから15年以上経っているが、今でも高い評価と影響力を誇る作品。イギリスのDJカルチャー/サンプリング世代から生まれた作品の中では、五指に入るのではなかろうか。
実際、私も思い入れ深いだけでなく、今でも聴く機会が多い。特にこの1stは、次作以降希薄になっていく「黒っぽさ」が濃厚で、レゲエ/ダブやヒップ・ホップ、ロックのみならずソウル・ミュージックの影響も強い(隠れ名曲の「Be Thankful For What You've Got」は、70年代のフィリー・ソウル・シンガーのWilliam DeVaughnの楽曲である)。それらの多彩な音楽要素を見事にまとめあげた重心の低いサウンドは、唯一無比なまでに個性的ながら普遍性も獲得している。この音像に沈み込むような快感は聴いてもらうしかないと思うのだが。。。弱点をあえて挙げるなら、当時の機材的な理由で、やたらビルド・アップされた音楽が多い現代においては若干簡素に聞こえてしまう事だろうか。私はこのシンプルさも好きなのだが。
次作「Protection」はやや漂白された印象だが、音の厚みが増して流麗さも加わり、本作とは甲乙付け難い。3枚目「Mezzanine」はロック色が強くなるが、音像の強度や重量感は3作中最高である。実質3Dのソロ体制になってからは、少しばかり凡庸になってしまった感は否めない。