BBA好きの私だが、彼等が残した2作品の中でスタジオ録音盤よりもよく(昔はFM放送を録音したカセット・テープで)聴いたのがこちらのライヴ盤。オリジナルLPが発売された73年当時10代半ばでロックに心惹かれつつあった者にとっては、初めて耳にするトーキング・モジュレーターを通した音で始まる「迷信」の冒頭から度肝を抜かれたものだ。本作で感じるのは、ライヴならではのロック・サウンドの奔流の凄まじさ。確かにスタジオ録音作のように完璧ではないかもしれない。しかし、メンバー個々の演奏の迫力は圧倒的である。
本作でも私が最も好きなのは、トリオ・ライヴということで荒々しく演奏されるが、それでも甘美な「スィート・スィート・サレンダー」。冒頭、そしてヴォーカルのバックのジェフのエレキ・ギターもかっこいいが、ヴォーカルが終わった中間パートで、待ってましたとばかりにジェフのギターがリードをとる瞬間の何とスリリングなことか。そして時間は短いがその中間パートから曲の終わりにかけてのジェフのギターの流麗さには息をのむ。ロック・バラードのライヴでこの演奏に比肩するものはそうないだろう。この1曲のために本作を買っても損はしないと思う。
楽器演奏と比べるとヴォーカルの弱さは隠せない。BBAまでのジェフは優秀なロック・ヴォーカリストを求めての遍歴とも言えるが、BBA解散以後はインスト・ジャズ・ロック路線で恒常的なバンドは作らずに活動するようになった。結果として、本作はジェフのヤードバーズ時代からのヴォーカル付きロック・バンド路線の最後の作品となったが、それが日本でのライヴ作となり、40年近い愛聴作になったのだから、感無量である。