異なったセット・リストで4パターンの公演が行われた「Hello!Project 2011 WINTER 〜歓迎新鮮まつり〜」だが、先頃発売された「Aがなライブ」「Bっくりライブ」のDVD版は、それぞれの片割れ公演を収録した内容、つまり4パターン中の2パターンを映像化した作品だった。本ブルーレイは「完全版」と題された2枚組み作品で、特筆点として挙げたいのは、本作は特典映像としてDVDには収録されていない各公演で歌われた楽曲が全曲収められており、コンサート序盤と終盤の重複している曲を除けば計4公演で披露された曲を全曲網羅した、文字通りの「完全版」作品だ。よって先頃、発売されたDVDと同内容のディスクを2枚セットにしただけの商品と勘違いして買い逃すと、実に勿体無い。
「3.2.1. BREAKIN OUT!」で始まる「Aがなライブ」、「ライバル」で始まる「Bっくりライブ」の各オープニングに続き、モベキマスがそれぞれの新曲を披露する流れは両公演共通だが、中盤のセット・リストから公演毎に替わる構成となる。本篇が撮影された公演の曲と、特典映像にもう片方の公演から「Aがなライブ」は「浮気なハニーパイ」「絶対解ける問題 X='」「愛〜スイートルーム〜」「記憶の迷路」他、「Bっくりライブ」は「会えない長い日曜日」「愛のバカやろう」「白いTOKYO」「愛の園〜Touch My Heart!〜」他の、DVDには収録されていない曲が目白押しである。特に「Aがなライブ」は、本篇となった方の公演は中間部に若干マニアックな曲が集中していたので、特典映像として収められているパターンの選曲の方が、馴染み深い内容ではなかろうか。
世代交代や時代の流れによって日の目を浴びる事が少なくなった名曲群を大胆に取り入れ、現在のHello!Projectを彩るメンバーが、それぞれの解釈とカラーを添加し披露して行く姿は、その背景に見え隠れするHello!Projectの長きに渡る歴史と、それぞれの時代を築いた偉大な先輩により大地に深く張られた根、その延長線上に存在する現在Hello!Projectの時間軸が一本の太い線で結ばれた瞬間でもあった。また、この正月公演はモーニング娘。の9期メンバーのお披露目や、高橋愛の卒業発表などの重要なニュースが交差する中で行われたコンサートであった。歴史と伝統、そして現在、更には未来への航路をも示唆するセット・リストと構成力。これが「歓迎新鮮まつり」の心臓部である。この春、Hello!Projectの各アーティストは単独ツアーを行い、夏の合同コンサートで再び合流する。春の単独ツアーで成長した各グループが、その夏の公演では更に素晴らしい公演を披露してくれるはずである。