76年発表の8作目。デイヴ・シンクレア(k) が前作で脱退して新たにヤン・シュルハースが参加した作品。インプロ指向のデイヴが脱退したことで更にポップ化が進んだが、この作品のようなポップ・アルバムが本来のキャラバンらしい作品と言えるのかもしれない。パイ・ヘイスティングとリチャード・コンフランさえ居れば確かにキャラバンだが、個人的には2〜3作目あたりのインプロ指向の作品と比べると若干インパクトが弱いイメージがあるのも確かである。しかしグループとしては明らかに全盛期とも言える時期にあたり、実際には最高傑作に名に値する作品に仕上がっている。メンバーの演奏技術と言った意味では文句が付けようがないほどだ。本作ではジェフリー・リチャードソンの傍役的な活躍が抜きん出ており、ヴィオラのみならず、リード・ギター、フルートなど各曲に見事な色づけを施している。
1.は一瞬モダン・ポップ時代のキャメルか?と思わせるほど彼らの雰囲気に近い曲。2.は何とロッカバラードで始まり、美しいストリングがリゾート感を演出しているが、ブラスを導入したソウル風味のハード・ロックに変化する。この曲の展開の素晴しさはキャラバンで一、二位の完成度と言って良いだろう。3.はキャラバンらしいポップ曲。すっきりしたバンド・アンサンブルが聞かれる名曲の一つだと思う。