ソマリア侵攻を題材にしているだけに、内容は戦闘が過半数を占めています。話の内容を一言で表現するのが非常に難しい映画です。
この映画は元々「反戦」がテーマだったのですが、公開の時期が同時多発テロと重なったために、報復の機運を盛り上げてしまったという複雑な背景を持っています。そのためか、監督の言葉の真意を疑うようなコメントを数多く目にすることが出来ます。
ここから先は個人的ですが、この映画はアメリカにしては「よく頑張った映画」だと思います。大抵、こういう映画のラストはアメリカ万歳、といった感じで終わるのですがこの映画はそのような終わり方はしません。劇中にも今までのアメリカ万歳映画では決して目に出来ないシーンもあります。詳細はネタバレになるかもしれないのでいえませんが。
反戦映画にしては、スポットがアメリカ側にしか向けられていなかったりと不十分な部分もありますが、今までのアメリカ映画の事を考えれば十分に及第点です。戦闘シーンも実に淡々としています。戦闘を格好良く見せるような演出はありません。この表現方法ゆえに、戦闘が実に生々しく感じられます。
この映画は様々な問題を問いかけるだけで映画の中での解決はありません。見た人が自分で考え、そして自分なりの答えを持つのがこの映画の
狙いだからでしょう。その観点から見ると、この「ブラックホークダウン」はまさに最高の出来です。なにせこの映画を見た人が様々な意見をもって、交換しているのですから。