染み渡るような激しいギターロック。端正に歌われるあてのない未来。
気持ち良い矛盾を存分に含ませてオリジナリティを表現してみせるPeople In The Box。
1st「Frog Queen」から1年、新しいミニアルバム「Bird Hotel」。今回も独特の世界観を鳴らしている。
「昏睡クラブ」とか、聴いててやたらドキドキした。なんなんだこのバンド。
ジャングルライフのスプリットに入っていた「ユリイカ」「見えない警察のための」は
どちらも「ピープルでしか出来ない楽曲」という部分まで表現されてたと思うが
惜しくもこの作品には収録されなかった。正直「見えない警察のための」はピープルの中でもトップ3に入るくらい好きな曲だったのでチト、残念。
でもまあ今作の世界観とは微妙に違うか。あの曲も是非聴いて欲しい!
で、「Bird Hotel」。今まで以上にアンサンブルが研ぎ澄まされている。
分かりやすく言えば、バンドの演奏、というよりも楽団的な、指揮されてるみたいに
繊細なギターロック・サウンドを披露している。計算されているのを感じるが、これを天然でやってるとしたら凄い。
「ヨーロッパ」とか、もはや短編小説の域まで達していないか?それなのにキャッチーだと思うし。後半の轟音サウンドとか。
ジャケットのアートワークがやたら素晴らしいのだが、今回の楽曲の方向性もこれに追随していると感じられた。
つまりは、内面にスーッっと染みわたっていく感じ。「完璧な朝」「レントゲン」「月曜日消失」あたり。
丁寧に鳴らされる美しいバンドサウンド。また日本語詞のあまりの小気味よさ。
なんというか、妥協のかけらも感じない。それは聴けば分かると思う。
それも、何度も、何度も。
スルメ的と言えばスルメ的と言えるかもしれない。が、それともちょっと違う気もする。
なんというか、聴くたびに、詞に触れるたびに世界観を一つずつ理解していく感じ。パズルのピースが当てはまっていく感じ。抽象的ですまない。
「今日はもっと知りたいな 汚れた君のことを」(完璧な庭)
「白昼夢が続きますように」(レントゲン)
声と演奏は水のように透き通っているのに(ロックなのに)、詞の内容は深海のように途方にくれている。
「ユリイカ」「見えない警察のための」の2曲、そしてこの「Bird Hotel」を聴いて確信した。
私はこんなギターロックは聴いたことがない。この方向性を維持して欲しい。更なる陶酔をお願いします。ついていく。