チャーリー・パーカーが Verve に残した作品の中でも最高なのがこの "Bird and Diz" だ。パーカーとガレスピーの黄金タッグにセロニアス・モンクがからむトンでもない名盤である。何よりも録音が抜群によく、パーカーの艶のある音色をどっぷり味わうことができる。
(それにしても、ガレスピーって上手いよね。)
しかしこのアルバムについて昔から相も変わらず言われ続けているのが、「ドラムの人選ミス」だ。「スイング派」のバディ・リッチだから駄目だというわけだが、そういうことをほざくやつは、そもそもスイング・ジャズのドラミングがどういうものかまったくわかっていない。ジーン・クルーパを聴いたことがないのか。「コンセプトの違い」って何だよ。
このアルバムのリッチのプレイは、バッキングからソロまで、フレージングがもう「ウンパ・ウンパ・ウンパ・ウンパ」の完全なバップ・ドラミングだ。しかもかなり上等な演奏である。「商品の説明」では「典型的バップ・ドラムではない」と書かれているが、典型的じゃなくって「とんでもなく上手い」演奏なんだ。おかげでものすごいドライブ感が生まれていて、どう聴いても、パーカーもガレスピーもモンクもごきげんで演っている。少なくとも同じ Verve の "Now's the time"(ドラムはマックス・ローチ)よりは成功している。アタマで決めつけずに音を聴くべきだ。まあ、ドラムがロイ・ヘインズだったら、それはそれで面白かったとは思うが。
ジャズについて語る人って、ベースまでは理解できても、ドラムについてはてんで無知・無理解なんだ。