「モノ・ボックス」に先駆けて発売された「ベスト」なのですが、国内盤を購入するつもりなので、それまでの、まぁ虫押さえ的な気持ちから手に取りました。ディランのちょっとしたファンの方であるなら、オリジナルとまでは言わないにしてもモノラルのアナログをお持ちの方も多いと思いますから、音質については云々しませんが、個人的な感想を言えば、当然のことながらアナログ特有のスクラッチが皆無であるので、安心して大音量で掛けることができます。そのぶん、音に圧力があるというか、力強い鮮明な印象を受けました。従来のステレオ版との比較でいえば、ギターとハーモニカのみを伴奏としたものは心持ち力強く、バンドを伴ってのものは、「ライク・ア・ローリング・ストーン」などに顕著なのですが、ヴァーカルに浅いエコーをかけてあったり、全体のバランスが多少違って聞こえたりするといった指摘ができると思うのですが、これはアナログのモノラルを聞いたことがある方ならリマスターでCD化されたからといって、さほどその違いを意識させられることはないと思います。ところで、購入したあとに気づいたのですが、このCDには「モノ・ボックス」本体には収録されていない「寂しき4番街」が収められており、実はこのことが本作の最大の「売り」かもしれません。