日経BP企画
ビーイング・デジタル ビットの時代
1995年出版、その年のうちに邦訳、90年代後半を席巻したITバブルの「聖書」となった本が再刊された。著者は米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの創設者。研究者というよりもオーガナイザーとして実力を発揮し、同ラボで数々の先進的な研究プロジェクトを立ち上げた。本書はその経験を基に、デジタル技術が社会に浸透することでどのような変化が起こるかを解説したものだ。解説の口調はあくまで楽観的でデジタル技術に対する明るい信頼にあふれている。なかでも最も象徴的なスローガン「アトム(実体のあるもの)からビット(デジタル情報)へ」が繰り返し引用され、「ドットコム」ブームの呼び水となった。
1995年出版、その年のうちに邦訳、90年代後半を席巻したITバブルの「聖書」となった本が再刊された。著者は米マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの創設者。研究者というよりもオーガナイザーとして実力を発揮し、同ラボで数々の先進的な研究プロジェクトを立ち上げた。本書はその経験を基に、デジタル技術が社会に浸透することでどのような変化が起こるかを解説したものだ。解説の口調はあくまで楽観的でデジタル技術に対する明るい信頼にあふれている。なかでも最も象徴的なスローガン「アトム(実体のあるもの)からビット(デジタル情報)へ」が繰り返し引用され、「ドットコム」ブームの呼び水となった。
ところがITバブルがはじけた今になって本書を読み返すと、著者は意外なまでに地に足が着いた議論をしていることに気がつく。既存の電話線を利用するブロードバンド通信としてADSLをもっと利用すべきという予想は見事に当たったし、「ハイビジョン」のような高精細度テレビ放送はオープンな規格に基づいたデジタル伝送で実現するという予想もこれまた的中した。
本書の予想で実現していないものは、果たして予想が間違ったのか、それともまだ実現していないのか――本書で展開される数々の考察は、IT神話が崩壊し、景気低迷が続く今だからこそ真面目に検討してみる価値があるように思える。95年の出版当初は夢想としか思えなかった考察も、6年後の現在の視点で考え直すと、また新たな意味を持ってくるかもしれない。
今後のデジタル社会の進展を考える上で、読んでおくべき価値を未だに失ってはいない一冊である。
( 松浦 晋也=ノンフィクションライター)
(日経パソコン 2002/01/07 Copyright2001 日経BP企画..All rights reserved.)
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
出版社/著者からの内容紹介
アトムからビットへ!MITメディアラボ創設者、上級所長のニコラス・ネグロポンテが語る「創造的デジタルライフ」とは。デジタル化時代の本質を解き明かす世界的ベストセラーが新装版で登場。
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