総売上枚数3000万枚、グラミー受賞4回、2011年2月6日スーパーボウルのハーフタイムでの演奏が決定と、いまや世界のクラブ・ミュージックを牽引する立場となりつつあるブラック・アイド・ピーズの通算6枚目の最新アルバム。
今回のテーマは「時間」。リードシングルの「ザ・タイム」は確かにエレクトロ路線。ビートが洗練されていて泥臭さがない。でも、だからこそフツーに聞こえちゃう。アルバムを通してこのままだと単調かも、とか、エレファンクの頃に比べるととんがった感じがないのはさみしいと思ったら、2曲目「ライト・アップ・ザ・ナイト」では、カウントダウンを連想させる曲作りが凝っている。かなりブラックで、なのにラップ調を上手いこと薄味にしてあるのが妙にカワイイ。ドラムの使い方がみごとでメリハリの利かせ方も絶妙。かなりオトコ臭いトーンなので、もしやこのアルバムではファーギーの居場所がないのか……と思ったら、次の「ラブ・ユー・ロングタイム」ではファルセットでロングタ〜イムと強調する男声がイカしていて、これはこれでいいかなと。そして「ホエンネバー」でようやくファーギー姐さんのボーカル本領発揮。もしや録音ならではの声の多重録りか。7曲目「ファッション・ビーツ」でも、アンシャンテ!などとセクシーなフランス語のサービス。これってつまり、ブラック・アイド・ピーズがヨーロッパでも相当な人気だという証明だ。つまり、日本でも将来的にはBEPが、さらに幅広い年齢層でのロングセラーとなるサインでもある。
アルバムそのものの印象としては、前作『ジ・エンド』よりもさらに、こなれた仕上がりとなっている。エレファンクのリリース直前あたりからのファンからすると、あの頃のパワーとか尖鋭な表現が薄れたみたいで物足りない気もするが、いまという時代のリアルな音として楽しむには上出来。二回、三回と聴いてみると味わいが増すというのも、すでにベテランの貫禄。個人的な反省は、なにも考えずに2枚組輸入盤を買ってしまったこと。いちばん中途半端な選択をしてしまった。前作を持ってる人ならベスト盤は不要だし、ボートラ目当てなら6曲ついてるデラックス・エディションにすべきであった。