この男、実はピアノもギターも多少は真面目に練習してるらしく微妙に演奏技術が向上している。
そしてその過程で古典的な作曲技術も自然に鍛えられてしまっている形跡がある。
わかりやすくいうと、ビートルズやエルトン・ジョンといったメロディーメイカー達が残してきたような
普通の名曲も作れる作曲家に進化している。
「音楽」と「音響」の間でファジーに揺れ動いた前作や以後の作品と比較すると本作ではかなり「音楽」そのものに重点が置かれており
良いメロディーを書く、というごく普通の作曲家の基本事項と照らし合わせても同業者の作品になんら引けを取らない。
堂々たる名曲ばかりである。
BackwaterのサビにおけるE♭-B♭-E♭-B♭-Am-F-Am-Fなどという挑発的な和音進行にも見られるように旋律や不協和音に関する
興味深い試みが満載である。変な音響一辺倒ではない。
そして!!
音が良い!!
素晴らしきミックスダウンだ。もう音響屋も最高だ。
イーノらしい変な音には違いないがジャズの優秀録音の様な豊かなダイナミックレンジと正確な定位感がもはや直感的に気持ちいい。
この音質は大きい。
あとパーシーのベース演奏も前作以上に激しくエキセントリックなものになっており聴きどころの一つとなってる。