このページから注文して実際に届いたのは、ビニール包装に「Made in France」のシールが貼られた、ヨーロッパ盤であり、日本語解説は付いていなかった。
日本語解説の必要な方は、他のページから注文されると良い。
さて、他の方のレビューの内容が、どうにも引っかかるので、書いておく。
ここでインマーゼルは、ベートーヴェンの楽譜に関して、いわゆる新ベーレンライター版とは異なる、全く独自の研究をふまえた校訂を行ったわけではない。
ベーレンライター版を踏まえつつ、演奏者としての立場で、使用する楽器の選択、ピッチ、人数編成、テンポ等を検討したのだ。
その結果、たとえば第九ではトルコ風打楽器を加え、4部合唱(計24人)は、パートごとに分けずに、男女高低混合した状態でステージの左右に振り分けて配置している。
こうした演奏が、何らかの学問的根拠に基づいた、絶対的に正しいものか、と言えば、そうではないだろう。あくまでも一つの方法論である。
また、独自研究を踏まえたからと言っても、校訂譜に則って演奏する以上は、全く別の曲のように聞こえる、というわけではない。
(曲によって人数編成を変える手法はホグウッドもやっていたし、第九の第四楽章でトルコ行進曲を強調する解釈も、以前からあった)
この全集版の特色は、演奏者達が、自分たちの方法で、1曲1曲十分に楽しんで演奏している点にある。
他のピリオド楽器での演奏盤や、フルトヴェングラーら巨匠指揮者の遺産と比較して優劣を云々するのは野暮だ。これはこれでよし。