ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全集では、おそらくアルバンベルク弦楽四重奏団の演奏がもっとも有名で評価も高いものと思います。このブダペストQはアルバンベルクQが出るまでは代表的なステレオ録音とされていたもので、実際LPレコードで繰り返し聞いたものです。
アルバンベルクQとブダペストQを聴き比べると、隙のないアルバンベルク、人の息づかいが聞こえるブダペストと言ったところでしょうか。音づくりの違いもあって、アルバンベルクQの演奏はまるで機械が演奏しているような、あるいは宇宙の彼方から音楽だけが響いてくるような感じがするのに対して、ブダペストQは弓のこすれる音が聞こえるような、楽譜をめくるのがみえるような、いかにも四人のメンバーが力を合わせてベートーヴェンの音楽を作り上げていくのが感動的です。
これはベートーヴェンの弦楽四重奏曲に何を求めるかよって、どちらの演奏がふさわしいか違ってくるのではないでしょうか。特に後期の弦楽四重奏曲は気軽に聞けるような曲ではなく、しかし一生聞き続けていきたい、もし聞いてない方がいれば是非とも聞くことをお勧めしたい、人類の宝としかいいようのないものです。これ以外にもラサールQ、スメタナQなども聴き比べることで曲のすばらしさは一層際だちます。