本書は、有望と目される国会議員18人へのインタビューをもとに、著者が、現在の政治や社会についての自らの考えを綴ったものである。
本書の構成はユニークである。映画で場面が頻繁に切り替わるように、著者の半生、現在の生活、議員へのインタビューが交互に登場する。著者の半生は、特別ではないが、平坦でもない。それが本書には、リアルに綴られている。授業も成り立たない荒れた中学校での生活、アメリカへの留学とそこでのいわば底辺の人との接触、日本での派遣労働生活。そうした経験を経た著者に、有望と目される18人の政治家それぞれの言葉はどう聞こえたのか?
結果は、18人中、本書に実名があがってくるのは、山内康一氏、小川淳也氏をはじめ4名でしかない。それ以外の14名は、名前もあがってこない。出せないのだ。著者は、インタビューのなかで、読者に伝えるべき内容がないとしばしば苦悶する。確かに、名前のあがらない議員のインタビュー内容は、読んでいて落胆を誘うものである(ぜひ名前も書いて欲しいものだ)。こうした状況をあぶりだした点で本書は成功している。
ただ、本書に疑問がないわけではない。Be フラットといタイトルと内容だ。タイトルは、小川淳也氏の考える、あるべき社会像を表現した言葉から引用されていると思われるが、本書全編がこのアイディアで貫かれている訳ではない。例えば、もう1人の中心人物である山内氏もBeフラットなのかどうかはよく分らない。ましてや14名は大したことを考えていないようだ。タイトルとしては、「有望と目される国会議員18人に中村安希が聞く」あるいは「中村安希の目からみた政治家18人」といったものが相応しいだろう。Be フラットというまでの統一感は感じられない。さらには、全体にややウェットな印象がある。何れにしても、著者には、才能を感じさせる。装丁も美しい。