1969年録音。この醜悪ジャケに初めて遭遇したのは、中学生の頃。神社の狛犬だかフランケンシュタインの息子だかわからない化け物が有刺鉄線の入ったサンドウィッチをパクついている様は、シュールを通り越した強烈なイメージである。
余談だが、確かフリートウッド・マックの「イングリッシュ・ローズ」も同じころレコード屋の店頭に並んでいたが、インパクトが強すぎて、ずっとトラウマになったのを覚えている。そんなわけでマックの作品同様、実際の音を体験したのは、かなり後のことだった。
その音の方は・・・後のフリーと比較されることが多いが、もっと陰鬱かつヘヴィで生々しく・・・ずっと野趣に富んだ独特の雰囲気(はっきり言ってアングラ)である。基本は古いR&B系ロック(当時ですら時代おくれと評価されたらしい)だけど、特に楽器の名手がいたわけでもないし、この癒しや和みとは無縁のぶっきらぼうな破壊的なサウンドには、好きになれる人となれない人がいると思う。
結局何がやりたかったのか、わからないし、全体的な散漫さは拭えない。しかしこの独特な気だるさと、「部分による全体の破壊」とでも呼ぶべき脈絡のない、性急な展開及びサウンド作り(ブルーズ・ロックにしては、ギターのディストーションがききすぎ、しかも2本)の「妙」が、やけに頭に残る。
他のロックバンドには置き換えられない、なかなか捨てがたい不健康な魅力を撒き散らす傑作である。時々、一日に何回もリピートして聴いている自分に気がつくことがある。
初期ZEPのヘヴィなブルース・ギター・バラードが好きな人にはたぶん気に入ってもらえること受け合いの作品かと思う。変だけど個性的なブルーズ系ハードロックが好きな方におすすめします。