20年前の当時市場最大のLBO案件であったRJRナビスコの買収合戦を
克明に描いたノンフィクションのビジネス書。
今後日本でも本格的な国境を超えたM&Aなどが始まる兆しであるが、
いかにLBO、Investment Bank、買収ファンド及びそれに関与する
企業弁護士等が企業の買収に関し行動するのかを具体的な事例を通じて
教えてくれる良書。企業買収ものの小説もちらほらみかけるようになったが、
本書は小説にも勝る内容とばっており、500ページを超える内容で
あるが一気に読めてしまう程。
M&A分野は時間的な制約がある中、各パーティがそれぞれの思惑を秘めて
ディールに取り組む訳であるが、その中では必ずしも会社の将来が考えられて
いるわけでない面もあり、又株主の価値が最大限考慮されるわけではない。
金融の論理でのディールパッケージを目指しているものもあり、今後日本で
起こるであろうディールも注視していく必要あり、その為にも本書は良い教科書
といえる。20年を経て国際的にも証券・金融規制は整備されてきているが、
これらのプレーヤーは法的・税制上のループホールを活用する事で新たな展開を
作る事でプレーヤーとしてのステイタスを高める事がその行動原理の基準になって
いる事もこの本でよく分かり、違う形での問題を提起する事例が今後も必ず出て
くると思います。本書の内容はその意味で過去の物語ではなく今日的な課題を提起
し続けている点で名著であり、必読の書になっているかと思います。
他の人のレビューにもある通り、姉妹書とも言えるDen of Thievesとあわせ
読むことで、よりその実態が明確になると思うので読むことをお勧めします。