素人感覚の話かもしれないが、ツィメルマンのピアノ演奏は、世界的な巨匠と比べ発音がやや弱いものの、情緒の細やかさ、曲目の構成力が豊かであり、余韻の深さは抜きんでるものがある。一般には、ツィメルマンのピアノ演奏は最も聴き易いのではないだろうか。
ツィメルマンのピアノリサイタルプログラムによると、「ツィメルマンはポーランド生まれ、毎日のように音楽家たちが集い、室内楽を楽しむ環境によって、早い段階から音楽に傾倒していった。・・・1975年ショパン国際コンクールで優勝して一躍有名になり、世界各地で活躍するようになった。・・・10年前からどの演奏会にも必ず自分のピアノを持ちこむというこだわりも、広く知られている。・・・彼は比較的若い時にヨーロッパ音楽の主流を学んだおかげで、単なる「ショパン弾き」になることを免れた。またこのことは「音楽を、それが生まれた場所と文化の中で演奏したい」という強い願望を芽生えさせ、以来彼は、フランス人の作品はパリで、ベートーヴェン、モーツァルト、シューベルトの作品はウィーンで、ブラームスの作品はハンブルクで、アメリカ人の作品はニューヨークで(しかもバーンスタインの作品は作曲者の指揮で)といったこだわりを持ち続けている」とある。
私は、過去二回、ツィメルマンのピアノイサイタルに足を運んだ。見るからに、人柄も演奏も極自然で、温かい雰囲気の中で楽しめた。所沢市民文化センターミューズアークホールには、地元の方だけでなく、ツア−最後の演奏を追いかけてきたファンの人達も混ざっていたのだろうか。
○2010年6月12日(土)17:00、於所沢市民文化センターミューズアークホール、ショパン生誕200年の記念に、ツィメルマンが選び抜いたショパンプログラム(先立つ2010年3月1日、ショパンの200回目の誕生日にパリのサル・プレイエルで彼が取り上げたものと全く同じ)を演奏。
○2009年6月20日(土)17:00、於所沢市民文化センターミューズアークホール、バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、シマノフスキーを演奏。