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最も参考になったカスタマーレビュー
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
切ない人間像を切り取った悲哀に満ちた短編集,
By sally (千葉県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: The Ballad Of The Sad Cafe: and other stories (ペーパーバック)
表題作the Ballad of the Sad cafeは、この本の半分くらいを占める長さとなっており、短編というより、中編的な長さです。かつては町の人の社交場として栄えたカフェ −今ではもう寂れてしまったが− そのカフェを舞台に織り成された数奇な出来事が、悲哀に満ちたバラード調の語り口で語られます。ちょっと風変わりな登場人物の身の上に起こる、奇妙な出来事。一切無駄の無い、卓越した人物描写に、知らず知らずのうちに物語にどんどん引き込まれていきます。そして、そんな出来事をありのままに受け入れなければいけない人間の無力さに、私たち読者は、ため息をつくことになるでしょう。
他の6作品は10−20ページ程度のきわめて短い作品ですが、やはり悲哀に満ちた雰囲気と、奥の深い人物描写のおかげで、その短さをもってあまりある迫力。自分のピアノの才能に伸び悩み、親友でもあるバイオリニストに嫉妬とも言える感情を持ちながら、そんな自分の醜い感情を直視できない15歳の少女。平然と嘘に嘘を重ねる大学教授の女性に気づいた上司。アル中の妻の待つ家に帰る疲れた中年男性・・・・・・。そんな、どこか心に傷をもった人々の満たされない心の内を覗いた時、きっと誰しも彼らに哀しい共感を抱くのではないでしょうか。最後の物語もcafeで語られていますが、思えば、全て淋しげなカフェのBGMに流れるバラードのような作品です。 一切無駄の無い客観的な語り口は、後のレイモンド・カーヴァーを彷彿させました。英語はさほど難しくないのですが、1950年代の作品であり、やや語彙が古い(耳慣れない語)が多かったような気がします。
6 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
人を愛する事って・・・,
By
レビュー対象商品: Ballad Of The Sad Cafe (マスマーケット)
表題作「The Ballad of the Sad Care」はNovella,いわゆる短編小説ですが、短いページの中にアメリカの南部文学の特色でもある「グロテスク」な人間像が凝縮されています。斜視で奇怪な性格のまるで女性らしさを持ち合わさないアメリアの前に突然現れた従兄弟だと名乗るせむしの男、ライモン。アメリアの開くカフェを舞台に繰り広げられる人間の愛憎の物語。キャラクターの言動は読んでいて気分を害す部分さえある程、まざまざと人間という存在がむき出して描き出されています。でも、これは純愛ラブストーリーだと思います。愛するあまりに・・・憎むがあまりに・・・。人間の感情や本性を飾らずに叩きつけられます。読み終わると胸が締め付けられる作品です。
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