基本的に信仰の対象で、そうでなくてもありがたい鑑賞作品である「仏像」を、
無闇やたらとかしこまらず、『BRUTUS』らしい咀嚼力で最高に面白く解説して
くれる。
ただし「面白い」というのは、バカっぽいとか、茶化してる、ということ
ではない。それまでモヤモヤと知識としてあったことが、鮮やかな比喩とか、
かみ砕いた説明で「わかった!」瞬間、笑いが止まらなくなる、という意味。
よくある時代別、地域別(奈良の仏像、京都の仏像的な)紹介ではなく、
仏教の伝来から運慶快慶が台頭する鎌倉時代まで、政治や社会の変動と
仏像の関係を、大きな歴史の流れに従って、いつ、誰が、何のために、
どんな仏像を作ったかをイッキに読ませる「大河ドラマ」編は、時代ごとの
小見出しからして爆笑。鑑真和上が来日した奈良時代は「外タレ来日。」
浄土信仰の盛行した平安時代は「あの世、ラブ。」だし。
なんで仏像がみんな(じゃないけど)金色なのか、額のポッチはなんなの、
といった素朴な初心者の疑問に答えるQ&A編も、核心は外さず、しかし飽き
させずに読ませる工夫が満載。
そして綴じ込みの仏像カード、最高です。広隆寺の弥勒菩薩から阿修羅像
まで、日本のアイドル仏32体をトレーディングカードに仕立てたもので、
切り取って対戦することも、お守りとして持ち歩くこともできる、スグレ
もの。
ちくしょー、保存用にもう1冊買っちまったぜ!