1992年から「BRUTUS」にいまだ連載中の写真企画。旬の人と、その人と関係のある人ってのが基本コンセプトで、例えば2005年11月15日発売号は菊地成孔と伊藤俊治だったりする。
「人間関係」という企画タイトルなんだけど、紀信の考える“人間関係”はとても、客観的というかポストモダン的なものである。お互いが視線を交わしていたり、談笑していたりなんて構図は一切ない。2人、3人居ても、それぞれがヨソを向いていたりする。この企画ではじめて憧れの御大に会ったなんていう小林よしのりは、岡本太郎の背中をじっと見詰めていて、その岡本太郎のほうはカメラ目線だったりする。つまり、登場人物同士の人間関係ではなくて、メタレベルから見た登場人物の関係性や立ち位置を一葉に収めているのである。時代をその瞬間瞬間で再構築していくって意味で非常にフロー的な、雑誌連載に相応しい企画だけど、こうして10年も経ってからまとめて読むのも、その時代や人物を批評的に見ることが出来て面白い(叶姉妹のオリジンは斎藤澪奈子だな、とか、中森明夫の次に高城剛が出てて時代だなぁとか)。また、既に亡くなった人(淀川長治、長井勝一、勝新太郎、宜保愛子、ジャイアント馬場、鷺沢萌)や、今旬の人のブレイク前の姿(チャイドルとして登場の栗山千明とか)も貴重である。