途上国開発とITの活用、というのは世界的に見ても国際援助機関やNGO等の案件数は沢山ある一方で、成功事例は決して多くない。本書で扱われている九大と現地NGOの取り組みは近年では一番の注目事例の一つだと僕は思うが、援助ではなく最初からソーシャル・ビジネスとして設計されていたからこそ、持続性が維持できているのではないかと思う。(勿論、JETROやJICA、民間企業などの様々なサポートを受けているのだが。)
プロジェクトの詳細を報告した1-2章がやはり具体的で刺激的だが、その他の章が内容が古かったり、余り関係性が無かったりして一部見劣りすること、及びプロジェクトの最新状況は最早本書から拾えないため星は一つ削った。直接プロジェクトに関係していない人、ITにもBOPにも関係ない人が著者に混じってるから、書名と内容で齟齬が出ちゃってる章があるのが残念だが、それでもネットで適当に拾えるNGOや国際機関のレポートなんかより余程、刺激的で役に立つ本であることには変わりない。研究者は当たり前として、援助業界の人、BOPビジネスを検討しているビジネスマンなど、実務畑の方々にもオススメ。