まず、この本を手に取る方は、「モジュール化の単位はどのように考えるべきか」という悩みを持っていると思われる(私がそうである)。 すると、第1章、2章は不要である。この手の解説は他の専門書を読まれたほうがよい。第3章からようやく本題だが、設計構成のモジュール化について、読者に大きく誤解を招くような用語使いがされている。機能モジュールの最小構成単位はユニットであり、モジュールとはそれ自体が独立し、交換可能な機能群である。生産構成におけるモジュールの見方になった時に、アッセンブリ(アッシー)とサブアッシーの考え方が出てくる。これは組み付け単位であり機能モジュールとは意味が異なってくる。問題は、機能モジュールと生産モジュール、およびソーシング・モジュールが相反することであり、この問題をいかに解決するのかを期待していたのであるが、結局、BOMの一般論+標準化+余談に落ち着いている。一番知りたいモジュール境界の設定方法についてはまったく書かれておらず、モジュールをいかに運用するかに主眼が置かれている。話の中心が本題からずれているように思われる。
期待が大きかったので、辛口の批評になってしまったが、設計部品表、生産部品表と標準化の関係を著した著書は少ないので、製品ライフサイクルにおける部品表の役割と標準化開発一般知識を得たい方には良書と思われる。