ここに納められたほとんどの曲がヒットしたというのが何でだかよくわからないくらいヘビーなアルバム。
ここで、彼らはひたすら不機嫌です。社会に対して、他者に対して、自分たちに対して、それらをすべてを含めたこの世界に対して。どの曲も、そのポップさに反してまったく救いがないです。あるいはその否定性に耐えられずにポップに走っているということかもしれません(同様に、彼らの「何を歌ってるんだかわからない」曲ほど、その歌詞はひどく誠実なものが多いですよね)。
例えばT8「Alive」なんか「夢も希望も報いも救いもない荒れ果てた人生を君と歩く」というような歌で、「やがてどこかで光は射すだろう」という淡い期待を持ちながらも、結局徒労に終わるんだろうなあという予感の中に、彼らもリスナもしんどい思いのまま取り残されます(このあたりの救いのなさは筒井康隆さんの「驚愕の荒野」という小説を思い出してしまいます)。
このアルバムを出した後、彼らは一時解散状態になり「Discovery」でカムバックします。そしてそのアルバムで、彼らはこの「不機嫌さ」からのカムバックも果たすのです。「Discovery」は記念碑的なアルバムです。彼らにとっても、ちろん私にとっても。このアルバムはその準備のために必然的に存在したのだと、今となっては理解できます。
できれば「深海」「ボレロ」「Discovery」の三作を順番に聴いてみてください。彼らの旅とその帰還を追体験することができます。正-反-合の構造で言えば、ボレロは「反」です。一番スリリングな位置ですね。もちろん傑作。