小説「赤毛のアン」の舞台“プリンス・エドワード島”などの美しい風景写真で知られる、人気写真家・吉村和敏氏。これは彼の2007年4-5月開催の個展“BLUE MOMENT”を形にした、満を持しての渾身の作品集です。
プリンス・エドワード島の農家、ロッキー山脈の湖、バンクーバーの街中、ローレンシャンの森、パリのセーヌ川、ヴェネチアのゴンドラ、ノルウェイのフィヨルド、日本の東京タワー、白川郷の茅葺屋根など、世界各国の美しい光景を、それぞれに色合いの異なる“ブルーモーメント”が、優しく包み込み、幻想的な世界を描き出しています。
青…蒼…藍…瑠璃……。
朝夕のその一瞬に、姿を現わす色世界、自然の織り成す夢舞台。儚いからこそ、心に染みわたる、静寂なひと時。そんな瞬間を、こうしてゆっくりと眺められることの幸せ…。
感動があまりに深いと、その心想いを言葉でうまく伝えるのは、難しいものなのですね。この作品の頁を捲るたび、痛感します。
近頃では、何処にいても、朝陽が昇る直前や、夕陽が沈んだ直後を、心躍らせながら待っている自分がいます。
こうして新しい扉を開き、これまで触れることのなかった世界へと誘ってくれる、本当に贅沢な写真集です。これぞ最高級の芸術作品! そんな秀作を生んでくれたこと、そうして出会えたことに、深く深く感謝です。
さて、写真家を志してから、今年で20年になる吉村和敏氏。最近はこの写真集にも登場する、日本の美しい風景にも、精力的に目を向けているのだとか。今後誘ってくれる新しい世界が、今からとても楽しみです。