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設定などは今風な悲壮感漂うものでありながら、実際には全編にわたって愛情あふれるストーリーになっており、普通じゃない愛情しか描かない物語が多い中、今の人が忘れていたような、少し恥ずかしくなるようなそれでいて「自然な愛情」が描かれている。
親の愛情と少女の淡い愛情、その交錯する感じがうまく描かれており、オタク漫画雑誌連載ながら、子供にも十分読ませられる漫画になっていると思う。
絵的にもかなり気を使っているのだと思うが、彼らの住む部屋の、コミックの表紙のような温かみのある色使いや雰囲気の良い家具等は、演出的にすばらしいと思う。著者はどうもかなり筆は遅いみたいだが、こまわりの工夫や細かいところの描き込みなどを見るとそれもうなずける。
ヒグレの話を見た限り、人魚シリーズのような、命のような重いテーマも取り扱うのだろうか・・・。
そういうテーマをクロエとミサキの間で描くことができれば、さらに一回りすごい物語になるかもしれない・・・。
主人公の超人さも、少女の不死身も物語の構成上の調味料に過ぎない。
それを認識し、きっちりとキャラクターをストーリー上に生かす空気が、この手の漫画では珍しく感じられるのは嬉しい。
よくあるバトルモノと違い、だらだらと戦闘を続けない点も、読んでいて気持ちいい。
実は著者による前作、途中で休載扱いになっている『クロノスヘイズ』が肌に合わず、さほど期待して居なかったのだが、
嬉しい誤算とでも言おうか、本作は非常に面白く感じる。
同人誌でとっていた手法を用いてコマ枠を引かず作られた話も、
穏やかな話の流れをより一層穏やかに感じさせるようで、新鮮だ。
多少滑稽に感じるセリフもあるが、全体の流れからあまり外れず、違和感はない。
明確な指標として、表紙を見て気に入ったなら買って損はないだろうと思う。
続刊が楽しみな作品だ。
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