1枚目は「BALLAD(黒のディスク)」というくくりで、テンポがゆっくりで抒情的な演奏を集めています。2枚目は「PASSION(グレーのディスク)」というテーマで、佐渡裕の情熱的な指揮ぶりが伺えるように過去の名演奏を集めてありました。
歌劇《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲では、若いメンバーが多い兵庫芸術文化センター管弦楽団による伸びやかな音色に惹かれました。
2曲目は、ラフマニノフが生み出した畢竟の名曲「ピアノ協奏曲第2番」で、2008年5月16日17日の両日にベルリンにあるテルデックス・スタジオで録音されたものです。第13回ヴァン・クライバーン国際ピアノ・コンクールで優勝する前、辻井伸行がまだ19歳の時の演奏です。抒情的で豊かな感性の詰まった演奏で、ケレン味のない王道のピアノ演奏でした。佐渡裕がベルリン・ドイツ交響楽団をしっかりとドライヴしているため、ハンディを感じさせない息の合い方を見せています。小さい頃から辻井伸行の才能を高く評価していた佐渡裕の温かい思いが詰まった協奏曲として記憶に残るでしょう。
2枚目の1曲目と2曲目は、シエナ・ウインド・オーケストラと晋友会合唱団のジョイントによってこの理想郷とも言える演奏です。総勢200名という量感あふれるサウンドが部屋中に鳴り響きました。《カルミナ・ブラーナ》より「おお、運命の女神よ」の咆哮と出会います。J.V.マス・キレスによる吹奏楽ヴァージョンで、この続きを聴きたいと思わせる音楽でした。エルガーの「威風堂々 第1番[希望と栄光の国]」も合唱が加わるとより荘厳な雰囲気に包まれます。ラストは圧巻の迫力でした。
NHK交響楽団を指揮した「火星」では金管の咆哮を堪能しました。4分の5拍子のリズムが、ある種の原始的な野蛮さを持って襲いかかってきて、生理的な気持ち良さを生みだしています。「木星」の弦の音色は艶やかで厚みがあり華麗でした。そしてクライマックスへと鮮やかに駆け上っていきました。
他の演奏も何れも評判になったものを収録してありますので、お買い得だと思います。