「ディープ・ブルー」「アース」といったネイチャー・ドキュメンタリーも確かに良質な作品だったが、どこか「生き物賛歌」的な博愛メッセージに包もうとする制作者の意図が見え隠れして、正直物足りなさを感じていた。しかし、BBC制作の本ドキュメンタリーは、そのような私の欲求不満を吹き飛ばすボリュームとクォリティで観る者を圧倒する、ネイチャー・ドキュメンタリーの傑作だと断言する。色鮮やかなハイビジョン映像とハイスピード撮影で、水滴の一粒までクリアに捕らえた驚異的な映像の数々。そして何といっても主役は見たこともない珍奇な生き物たちの不思議な生態。食物連鎖の厳しさや、激しい生殖競争をも包み隠すことなく映像化した本作は、生物がただ愛らしいだけの存在ではなく、生きるための本能に忠実に多種多様に進化していることを驚きをもって発見できるだろう。