今や飛ぶ鳥を落とす勢いのTSUKEMEN、インディーズデビューから僅か1年を経てメジャーアルバムがリリースされました。
キングレコードがTSUKEMENに寄せる期待が伺えます。
2010年3月のリリースの日、自宅のプレーヤーに載せるまでの時間が待てず、会社のパソコンにヘッドセットをつけて
むさぼるようにこのアルバムを聴いた思い出が昨日の出来事のように甦ります。
音楽と過ごす時間が1秒でも長くある、それは人生の幸せのひとつでもあると思う。これにより私の血中TSUKEMEN濃度は一気に上昇しました。
このアルバムに収められた曲たちはこの楽器編成を意図したのでは、と思えるほど、過去に聴いたどの演奏よりもその世界に惹き込まれます。
オーディエンスのいないクラシックのコンサートホールでの録音も見事、驚くべき品質です。
ライナーノーツに込められた彼らの含蓄に触れるのも楽しい。
いつだったか、私は出張で東京に来ていたある友人へこのアルバムを日本のお土産にして渡した事がありました。
そして帰国後、彼はそのCDを自分の車の中のCDケースに入れていて、何も考えずにそのCDをかけたのだそうです。
そして、後に私に興奮気味にこう教えてくれました。
「その日僕はすごく疲れていて、しかも道路は渋滞してて最低な気分だった。でも、君がくれたこのCDを聴いて走っていたら、
だんだん車のなかの空気が変わって来たんだ。外の風景さえも一気に変わってしまった。
窓の外に見える人たちの一生懸命働いている姿が、キラキラしててすごく愛おしく見えたんだ」と。
彼が聴いていたのは、「星唄」だったそうです。この曲は様々なテレビ番組でテーマ曲として取り上げられている楽曲ですが、
遠からぬ将来、いつか東北で演奏されることを願います。そして多くの人の心に救いが与えられることを祈りたい。
天才クールビューティのヒラリー・ハーンのようなやや神経質な演奏が好みでなく、またヨーヨー・マの癒しのチェロも聴き慣れて、
もう少しユーモアがあって、一風変わった演奏が聴きたいと思っている方には特にお薦めしたい。
そしてアルバムを聴いたら、その次は是非彼らの生音に触れて欲しい。
たとえ他の予定とダブルブッキングしてでも彼らのパフォーマンスは押さえておくべき大人のエンタテインメントであることをお約束します。