その厚みの有る音。
厚みと言うよりは立体感溢れる3Dサウンド(A Three-Dimensional Sound)!
サラウンドと言うものを大きく越えている感じですね。
それまでに聴いていた前回の「Band Wagon」のCDとは全く持って雲泥の差!
前回のCDがまるで平ぺったい薄っぺらなものに聞こえてしまいました。
大きく横に広がるだけではなく、手前、奥、後ろ、斜めとそのサウンドの広がりを感じ取ることが出来ます。
しかもその楽器やヴォーカル等の個々のサウンドが完全に分離されていて、そのどれもが非常にクリアーに再現されています。
これはもう全く持って別物。
あまりにも素晴らしすぎてただただ呆然。
開いた口が塞がりません。
その中で聴く「Little Feat」を初めとする、当時のL.A,の凄腕ミュージシャン達の際物的演奏の素晴らしさには新たなる感動が湧いてきます。
アナログ盤で聴いていた当時は「Little Feat」と言うことだけでその演奏に酔いしれていましたが、こうやって殆ど生音に近い状態で耳元に持ってこられると、本当に彼らのその凄さが実感できます。
まさに、聞いている私を周りから包み込んでくれるような感じです。
「鈴木茂」自身のヴォーカルもオリジナルでは歌詞が聞き取りにくかったのですが、此処ではクリアーなヴォーカルでしっかりと歌詞を聴き取ることが出来ます。
これは「鈴木茂」本人がリミックスしたと言うことで充分に納得が出来るものでしょう。
そうして、此処まで来るともう録音機器の向上という事だけでは片付けられないものがあります。
実際にリミックスに関しては当時のレコーディングに使った機材よりも古い機材を使っていると今回のライナーに書かれています。
その機材は1チャンネルしかなく、よって1曲、最低でもテープ・トラック数分の16回、その機材を通す必要があったようで、1日その準備だけで3曲が限度だったと書かれています。
で、それが全て終わってからミックスですからそれはもう大変な作業です。
ですから、これはもう機材がどうのこうのではなくて、彼自身の忍耐と、努力と、技術。
そうして一番大きな要素はその彼のセンスでしょう。
何がどうあろうとセンスが悪ければ全て無駄になってしまいます。
反対にセンスが良ければ、古い機材でもこれだけ素晴らしいものが作れると言うことですね。
そうして、そうしてもう一つ嬉しいのは前回にはなかったボーナストラック。
10曲も入っています。
でもボーナストラックというものは、元々オフィシャル・リリースされるときに弾かれたものが多いので、今までボーナス・トラックで満足したものに出会ったとはそんなに多くありません。
ですから個人的にはボーナス・トラックは要らない派なんですけどね。
ダラダラと多く入れられたらかえって元のオリジナルトラックの方も色褪せてしまいますから。
しかし、今回のボーナス・トラックは聴き応えがあります。
特に前半のアウトテイクとなったバッキングトラック。
バッキングトラックですから歌は入ってませんが、その分じっくりと彼らの演奏に浸ることが出来ます。
で、こうやって聴いていると充分「Little Feat」を思わせるグルーヴ感を感じ取ることが出来るゴキゲンなトラックが揃っています。
で、こうやって聴いていると「鈴木茂」って結構ギターが上手いんですね(笑
周りの演奏に引けを取ってませんわ。
ボーナストラックの後半はロング・ヴァージョンとなっていて、オリジナル・ヴァージョンのエンディングがフェイド・アウトされているのが、最後までフェイド・アウトされずに未編集のまま収録されています。
只もう一つ難を言わせていただければ、ボーナス・トラックのリミックスにももう一つ力を注いで欲しかった。
いや、悪くはないんですよ。
でもオリジナルのトラックの方が余りにも良すぎますもんでねぇ、贅沢?(^^;)